FPCafe vol.6 「相場は予測できるの?!」
◇プロでも当たる確率は50%!?
資産運用のご相談で、「今、何を買えば儲かりますか?」というご質問を受けることがあります。自分の大切な財産を投資するのですから、将来的に価値が上昇する銘柄や市場を間違いなく選びたいものです。
テレビや雑誌などを見ると、専門家が将来の株価や経済の行方に関して様々な予測を立てているのを見たり、読んだりすることができます。しかし、これらの予測は本当に当たるのでしょうか?
米国のある大学教授が、有名なエコノミストや評論家の相場予想がどのくらい当たっているのかを約8000件のデータを使って調査したところ、その正答率は50%を下回っていたという結果が出たそうです。
つまり、常に市場相場の最新状況をチェックしている専門家でさえも相場を予測できた確率は2分の1。相場が上がるか、下がるかを予想するだけなら、何も知らない普通の人が予想しても
当たる確率は2分の1ですから、いかに相場の予測が当てにならないかが分かりますね。これは、あくまでも米国の調査結果なので、日本の専門家の相場予測の正答率ではありませんが...。
◇成功の秘訣は自分に「勝つ」こと!?
ずっと儲かり続ける市場もなければ、ずっと損を出し続ける市場もないということです。だから、偏った資産に投資するのではなく、様々な市場に分散投資することが大切なのですね。
また、投資は「価格が下がったときに買う」のが原則ですが、一般的な心理としては、値下がりしている株や投資信託を購入したいと思うでしょうか?普通なら思わないですよね。どちらかというと、値上がりしている銘柄の方が魅力的に見えてしまうものです。
また、せっかく買った株や投資信託が値下がりし始めると怖くなってしまい、「これ以上値下がりしたらどうしよう...」という不安に駆られて損失を出したまま売却してしまう人が多いのが現実です。
これらは投資に失敗する人の行動パターンです。どちらも原因は人間の感情です。資産運用で成功するためには、相場を予測することよりも、まずは自分自身の感情に「勝つ」ことが大切なのかもしれませんね。
(ファイナンシャルプランナー 三部香奈)
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Date:2010年4月22日