おすすめBook 「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」
ダイヤモンド社 著者:エリヤフ ゴールドラット 翻訳:三本木 亮
今回もわたくしは、長期ベストセラー書籍を紹介します。
本書は、不採算工場の再建を任された主人公が、恩師のアドバイスを受け、仲間たちと様々な苦労をしながらも工場再建を果たすビジネスストーリーです。
非常に読みやすいドキュメンタリー風小説なので、普通だったら眠くなるような生産改善理論も、具体的にイメージしながら、時には緊迫感をもって一気に読み終えることができると思います。
さて、本書は「全体最適化」に基づく改善をテーマとしています。
「全体最適」とは、ことわざ「木を見て森を見ず」の「森」を見ること、すなわち、「視野を広く持ち、全体を見て最適化をする」ということです。
文中、主人公に対し、恩師は
『面白いことを教えてあげよう。作業員が手を休ませることなく常に作業している工場は、非常に非効率なんだ。』
と話します。最初「そんなことあるわけがない」と主人公は思いますが、実際に恩師のアドバイスに従い、全体最適の観点から現場を見ていくうちに、それが事実であることを悟ります。
「全体最適」の対義語に「部分最適」という表現があります。
会社組織に当てはめてみると、
「部署別、もしくは工程別にそれぞれが最適だと考えて一生懸命にやっていること(部分最適)が、必ずしも会社全体にとって最善の結果(全体最適)をもたらすとは限らない」
ということです。
(より具体的な手法(結末)は、直接本書をお読みになることをオススメします。)
製造業の現場をメイン舞台としていますが、非製造業の方にも非常に参考になると思います。
100年に1度の不況と言われる今だからこそ、「全体最適」の考え方に基づいて、組織・業務の見直しを検討してはいかがでしょうか。
財務支援事業部 伊藤 剛
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Date:2009年2月20日