おすすめBook 「財政破綻を救う『理財論』山田方谷」
財政破綻を救う「理財論」 山田方谷 ~上杉鷹山をしのぐ改革者~
深澤賢治著・石川梅次郎監修(小学館文庫)
山田方谷といわれてもご存知ない方も多いと思います。江戸時代、備中松山藩の吟味役として「上下節約」「負債整理」「産業振興」などの藩政改革に取組み、わずか8年で10万両の負債を同額の蓄財にした人です。藩政改革というと上杉鷹山が有名ですが、それをしのぐ改革者で、河井継之助をはじめ多くの者がその教えを請いました。
改革の手法は
①現状の把握(徹底的な調査で正しい収支試算表の作成)
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②現状報告と危機感の共有(トップへの適切な報告)
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③経費節減
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④銀行交渉・再建計画の作成
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⑤踊り場を創る
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⑥新規事業への投資
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⑦利益の還元
ということで、正に現代にもピッタリあてはまるものです。
「理財論」は、改革着手から遡ること14年前、32歳の時に書かれたもので、「事の外に立って事の内に屈しないもの」という考えをベースに改革への心構えを説いています。
"温故知新"。目先の利益にこだわる見識の狭い現代人が是非読んでみたい一冊です。
財務支援事業部 渡辺誠一
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Date:2008年11月20日